ナポレオン

今日は午後からショッピングに出かけた。コートとトップスを一枚。コートはキャメル系の柔らかいブラウンにした。Mサイズだが、試着してみると結構大きい。これなら中に多少着こんでも平気だろうと買うことを決意。その後店員さんに預け、もう少し店内を見てみると、黒色のコートを発見。デザインも良く、布地も織が細かく見ているだけでかっこいいと唸ってしまうほど。値札を見ると約三万円。お店がこだわった品なだけあるとそっと元に戻した。

 

その後、紺色のトップスを見つけたので、これも試着して動きに支障がないことを確認してレジへ行った。何かほかに面白いものはないかと歩いていると映画館があったのでそのまま足を向ける。ちょうどナポレオンが良い時間に放映されるので、チケットを購入してシアタールームへ。ホットドッグとドリンクを手にいそいそと席に向かう。放映前のCMは「哀れなるものたち」とティモシー・シャラメが主演の「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」があったのでチェックしようと頭に入れる。カラフルだったり、テンポが良かったり、見ていて飽きない演出のものが好きなのだろうか。ちょっとこどもっぽいかも?

 

ドリンクを半分飲んだあたりでようやく本編へ。あのナポレオンの出世から没落までを三時間に詰め込んだリドリー・スコット監督の映画。世界ふしぎ発見で知って気になっていたので今日見ることができて本当に良かった。字幕版を選んだためか、悪天候のためかシアタールームはほどよく人が散っていて、隅っこで周りを気にせず見ることができた。「RRR」を見たときはほぼ満席だったのを思い出す。人でいっぱいの映画館も好きだが、小心者の身からすると隣がニ、三席ほどがら空きの方が変に緊張しないので助かる。

 

処刑シーンからスタートする映画。革命期フランスの混乱とロベスピエールに熱狂する市民たち。これに合わせてトゥーロンの砦を奪回しようとナポレオンがイギリス軍に戦闘をしかける。フランス史はあんまりやっていないので細かいことはよく分からないが、教科書ではあまり流れをつかめなかった市民革命からの共和政への移行と恐怖政治、帝政に変わってからの王政復古といったバタバタ感というのは結構分かりやすいと思う。

 

なんでこうまでコロコロ政体が変わるのかというのは当時の市民や政治における熱量とか混乱とかそういうものが掴めないと覚えようとしてもイライラするから、これが学生時代にあったら世界史はもう少し簡単だったかもしれない。もちろん映画のため脚色や変更はあるだろうけど、おおまかな流れが見えるだけでも気が楽になる。ところどころで流れるクラシックがたまらない。映像の切り替えもよく、三時間退屈しないつくりはありがたい。

 

あまりストーリーをまとめるのは得意ではないのでここで説明は打ち切り。映画「ナポレオン」を見て思うのは、彼の栄枯盛衰をここまで手短にまとめてくれたことへの感謝だ。コルシカ島からやってきた青年が、軍で出世を重ねて皇帝の座に就く前半部。ジョセフィーヌとの婚姻関係の破綻と大陸を支配しようと膨らむ野心で窮地に追い詰められる後半部。彼の人生をこうも迫力のある映像で見ることができて、もう感動しかない。戦争のシーン、宮廷を照らすろうそくの淡い光。流れるクラシックも相まって充実した三時間だった。個人的には最後ウェリントン公爵がでてくるところでテンションが上がる。

 

久々に映画を見たけど、見ると本当に心が軽くなった。家にいると色んなことをやらなきゃとつい集中力を欠いてしまうので、一つのことに没頭できる空間はありがたい。真っ暗な雨の日もも楽しい気持ちでいっぱいだとなんだか元気がでる。楽しい一日だった。